シャント合併症には主に下記のような種類があります。
こうした合併症を予防することや早期発見・早期治療をすることが健やかな透析生活を送っていただくために必要と考えております。
シャント血管の内側が部分的に細く(狭窄)なること。
血の塊(血栓)等によりシャントがつまって血が流れなくなること。
静脈(シャント)に動脈血が流れ込むためシャントが太く拡張すること。
同一部位への頻回な穿針等によりシャントの血管が弱くなりこぶ(瘤)を作ること。
シャントを作成したことにより手の先に血液が流れにくくなり手指の冷感・疼痛を伴うこと。
動脈血が手の先へ流れすぎ、手指の血液の流れが悪くなりシャント肢の浮腫(太く腫れる)・疼痛を伴うこと。
チェックリストなどを活用して日々のシャント管理を行います。またシャント造影やシャントエコーを定期的に行うことで、シャントトラブルの早期発見に努めております。
日常管理で得られた情報を記録し、定期的にスコアリングシートをもとに評価を行うことで、シャントトラブルの早期発見につなげます。
血管が深い場所にある患者様には、エコーで確認しながら穿刺を行います。
超音波を利用してシャント血管内腔の形態評価や血流量などの計測により シャントの機能評価を行います。
偕行会グループの基幹病院である名古屋共立病院のバスキュラーアクセスセンターでは、シャントの合併症に対してシャント外来にて診察・診断しております。治療が必要な場合は外科的手術かインターベンション(経皮的血管形成術:PTA)にて患者様の症状に応じて対応しています。また、シャント閉塞など緊急時にも随時対応を行っています。
先端に風船(バルーン)のついたカテーテルをシャント内の狭くなった部分(狭窄部)に進め、そこでバルーンを膨らませることによって狭窄部を拡張する方法です。
シャントPTAは狭窄のたびに何度でも繰り返し施行することが可能であり、シャントを長持ちさせるには有効な治療方法です。
シャントが血栓により詰まってしまっても、現在では多くの治療用カテーテルが開発されており、手術をしなくてもカテーテルから直接血栓を吸い出したり溶かしたりして治療することが可能です。
カテーテル治療(インターベンション)では治療不可能なシャントや、シャント感染など緊急治療が必要な場合は手術を受けていただくことが可能です。