高気圧酸素治療(HBO)とは
治療タンク内を2.0気圧以上に加圧し、100%酸素を60分以上吸入することで、血液中に溶け込む酸素量を増やす治療法です。
全身に酸素を供給することで、低酸素状態にある組織への酸素供給を改善し、糖尿病や閉塞性動脈硬化症などによる末梢循環不全および皮膚潰瘍の治癒促進が期待できます。また、高濃度酸素は白血球の殺菌作用を高めるため、細菌感染症やガス壊疽などに対する治療効果も期待されます。
高気圧酸素治療を受けることができる病院は、2025年12月時点で愛知県内に10施設と限られ、名古屋市西部では当院のみとなります。
当院の高気圧酸素治療室では、1日の治療枠が5枠(9時・11時・13時・15時・17時※土日・祝日を除く)あり、年間600件を超える治療を安全に行っています。
当院で対応可能な適応疾患(保険診療の回数上限)
- 突発性難聴(計30回)
- 放射線障害または骨髄炎(計30回)
- がん治療との併用(計30回)
がん集学的治療外来を詳しくみる - 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害(計30回)
- 脊髄神経疾患(計30回)
- 重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎) (計10回)
自費診療
- スポーツ外傷・コンディショニング
スポーツ外傷を詳しくみる - コロナ後遺症
新型コロナ感染症後遺症外来を詳しくみる
酸素カプセルとの違い
ヘルスケア用の酸素カプセルと医療機器である高気圧酸素治療では、酸素濃度、治療圧力、加圧方法が大きく異なります。
酸素カプセルでは21%の酸素で1.3気圧程度までしか加圧ができませんが、高気圧酸素治療の場合は100%酸素で2.0気圧以上まで加圧することが可能で、体内の酸素濃度を平常時の10~20倍に増やすことができます。
下記グラフは酸素カプセルと高気圧酸素治療における血液中の酸素量を皮膚上で測定した経皮酸素分圧(tcpO2)を比較したものです。
治療条件
酸素濃度:下記の数値を参照
加圧時間:15分
治療時間:60分
減圧時間:10分
| 高気圧酸素治療 | 酸素カプセル | |
|---|---|---|
| 酸素濃度 | 100% | 21% |
| 治療圧力 | 2.0気圧 | 1.3気圧 |
| 加圧方法 | 酸素加圧 | 空気加圧 |
治療の流れ1回の治療は90分前後となります
-
- 受付
- 外来棟1階で受付をして頂きます。
-
- 診察
- 医師が診察し、治療可能かを判断します。
初回診察時に、胸部レントゲン・12誘導心電図・採血を実施させていただきます。
-
- 準備
- 開始前にその日の健康状態を評価した後、専用の治療着に着替えていただきます。
治療中はお手洗いに行けませんので必ず開始前に済ませてください。
-
- 治療開始前
- 電子機器や火気の原因になる物がないか持ち物チェックを行います。
治療中は心電図を装着させていただきます。
全てのチェックが終わりましたらタンク内に入っていただきます。
-
- 加圧
- 約15~25分かけて気圧と酸素濃度を上げていきます。その際、耳に違和感や痛みが出てきましたら「耳抜き」を行っていただきます。
耳抜きが上手くできない場合はスタッフにお知らせください。
※治療タンク内にはマイクとスピーカーが付いており、外にいるスタッフと通話することが可能です。
-
- 治療中
- 目標の圧力まで加圧をしたら、その状態を60分間維持します。治療中はテレビを見たりしてお過ごしいただけます。
-
- 減圧
- 約10分かけて元の気圧まで戻します。
その際も耳の違和感や痛みが出ましたら「耳抜き」を行っていただきます。
-
- 治療終了後
- 減圧後は健康状態に変化がないか、特に耳の痛みなどの症状がないかを確認し終了となります。
※耳の違和感が続く場合は、耳鼻科の受診をお願いする場合があります。
治療前に確認していただくこと
≪耳抜き≫
治療中はタンク内の気圧が変化し鼓膜の内外で気圧差ができるため、耳痛と言う耳の痛みを生じることがあります。トンネルの中に入った時や飛行機に搭乗した時に耳がボーっとする症状が耳痛であり、この耳痛を解消するためにはご自身で耳抜きを行っていただく必要があります。また、風邪や花粉症により鼻詰まりを起こしている方は耳抜きができないことがあり、その際は治療が行えない可能性があります。
※耳抜き練習は当日担当するスタッフが事前に説明します
≪閉所恐怖症≫
当院にある装置は、全面アクリル板でタンク内から部屋全体を見渡すことができますので、安心して治療を受けていただけます。閉所恐怖症がある場合は、不快感やめまい、動悸などの症状が出ることがありますので、その際は治療が行えない可能性があります。
治療実績
| 年度 | 治療件数 |
|---|---|
| 2020年 | 188件 |
| 2021年 | 175件 |
| 2022年 | 247件 |
| 2023年 | 483件 |
| 2024年 | 760件 |
| 2025年 | 625件 |
【ご予約】
052-353-9100月曜日から金曜日 9:00~17:00
(祝日・年末年始を除く)
【お問合せ先】
052-362-5151月曜日から金曜日 9:00~17:00
(祝日・年末年始を除く)
※「高気圧酸素治療の件です」をお伝えください。
担当窓口にお繋ぎします