診療科・部門

形成外科

受診の流れ

外来

形成外科外来は毎週月・水・金曜日は午後2時~5時、火曜日は午前9時~12時に行っています。1日平均30名前後の患者様にお越しいただいています。なるべくお待たせしなくてもいいように予約も承っています。初診の患者様でも、当日でもお電話で予約可能です。

入院

入院患者様は毎朝8時45分頃から回診が始まります。回診では、診察、傷の処置などを行います。
形成外科の入院患者様は平均10~15名程度で、回診は午後になることもあります。
回診の後は、検査、リハビリテーション、温浴療法、栄養指導など患者様の状態に応じた専門のスタッフによる治療があります。また、形成外科の入院病棟には広範囲熱傷の温浴療法や褥瘡など寝たきりの患者様の入浴に対応するためのリフト浴が可能な浴室と、自分で入浴可能な患者様用の浴室を2か所完備しています。
可能な限り毎日入浴し、傷を清潔に保ちながら治療を行っています。入院期間が長くなった場合は、ソーシャルワーカーが介入し患者様の状態や希望に応じた病院や施設をご紹介する場合もあります。
当院の関連施設である偕行会城西病院には定期的に往診に行っており、褥瘡などの形成外科関連の疾患の診察や処置を行っていますので、転院となりましても治療を続けることが可能です。

手術

1週間に平均16件程度の手術を行っています。学校や仕事、ご家庭の都合等に合わせて曜日や時間の調整を行っております。どうしても土曜日に手術を行いたい患者様は、日程によっては相談に応じます。また、入院が困難な患者様は可能な限り通院で行いますので、外来時にご希望をお伝えください。

リハビリ

熱傷などの外傷の患者様は、理学療法や作業療法などのリハビリテーションが必要になることが多いです。患者様の状態に応じた適切なリハビリテーションを、専門の理学療法士や作業療法士の指導の下、充実した設備にて行っています。入院患者様は日曜日以外、毎日リハビリテーションを行うことで、1日でも早い社会復帰を目指しています。

装具

熱傷後の圧迫療法に必須な圧迫装具や切断指後の義指の作成など、形成外科の装具に特化した専門の装具士を採用しています。
医師や患者様の要望を的確に取り入れた各種装具を作成します。

病診連携
  • 在宅や入所施設の褥瘡患者様に対する褥瘡往診専門医と緊密な連携を構築しています。褥瘡患者様の自宅や入所施設でのスムーズな連携と治療が可能です。褥瘡でお困りの患者様はご相談下さい。
  • 名古屋市内だけでなく、海部郡、津島市などの開業医や病院の先生方と常に緊密な連携や定期的な勉強会を開催しています。
    過去半年間で延べ100施設以上の診療所や病院を訪問させて頂いており、形成外科関連の患者様の紹介や情報交換を行っています。形成外科関連の症例でお困りの診療所や病院がございましたら、伺いますのでご相談下さい。

治療法

熱傷(やけど)

【熱傷になったら】
熱傷は初期治療が最も重要です。
受傷初日は流水で良く冷却し、はやめの受診をお勧めします。熱傷の深さ、あとが残るかは受傷後1~2 週間様子を見ないとはっきりとはわかりません。あとが残ってしまった場合には手術療法を選択することがあります。

【やけどの治療法】
熱傷は火炎・高温の液体・薬品等の様々な原因で起こります。
体表面積20%以上の広範囲熱傷、小児・高齢者の熱傷などの重症熱傷は致死率も高く全身管理を必要とするため入院治療を要します。それ以外の熱傷は多くが外来通院にて治療可能です。当院では形成外科外来に多くの方が通院されています。熱傷の深さや面積により、軟膏治療や手術療法を合わせ治療していきます。

①やけどの手術
明らかに深い熱傷や、2 週間以上様子を見ても治らない場合には、皮膚を移植する手術を行います。

②やけどの軟膏治療・創処置
汚い傷や創からの液が多い場合はよく洗うことが重要です。治りかけた熱傷や傷跡となったやけどは日焼け予防やケロイド予防が中心となります。熱傷の状況に合わせ処置は変わるため通院が必要です。

瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)・ケロイド

【瘢痕とその分類】
瘢痕とは、外傷・熱傷・手術・潰瘍などによって生じた、傷跡の総称です。
瘢痕はその形状・性質によって以下の様に分類されます。
肥厚性瘢痕:赤く盛り上がる異常な瘢痕 ケロイド:肥厚性瘢痕が正常皮膚にも広がっているもの 瘢痕拘縮:瘢痕が引きつれを起こしているもの など それぞれの傷の状態に合わせ手術療法または保存的治療を行います。

【手術療法】
瘢痕となってしまった傷のなかで、保存的治療では時間がかかったり効果があまりなかったものに対して行います。瘢痕を切除し、綺麗で目立たない傷に治します。また瘢痕拘縮があるものは引きつりをなくす拘縮解除の手術を行います。一方でケロイドに対しては一般的に手術がお勧めできないため、保存的療法のみとなります。

【保存的療法】
瘢痕・ケロイドの予防・治療のために下記の治療を行います。
①外用療法
保湿軟膏・抗炎症作用のあるステロイド軟膏等を用います。

②内服療法
抗アレルギー剤やトラニラストの内服をします。

③局所注射療法
ステロイドの注射を行います。

④圧迫療法
装具による圧迫を行います。

熱傷後の瘢痕は範囲も広く、拘縮・ケロイドを起こしやすいため、熱傷が治った後も長期的に外来通院で経過観察が必要な場合があります。傷跡が気になる場合は形成外科を受診していただき、適切な治療を受けることをお勧めします。

湿潤療法(モイスト ヒーリング)

最近、湿潤療法は行っていないのですか?という質問を多くいただきます。湿潤療法をきれいに傷を治すことができる魔法のような治療のように思われている方も多いようです。しかし、湿潤療法は、傷を治す過程において最も基本的な処置であり、特別な治療法ではありません。乾いた環境よりも潤った環境に保つ方が、傷を治すための細胞が元気に活動できるという性質を利用した治療法です。ただ、軟膏にガーゼでは、傷を潤った環境に保つことは難しく、自宅にあるラップを使った方法などもよく紹介されています。しかし、ラップは医療材料ではないため、当院では使用することができません。(トラブルが起きた時に責任が取れないため)当院ではさまざまな高機能な被覆材を使用して湿潤療法を行っています。

【当院での湿潤療法】
熱傷:非固着性ガーゼと軟膏の併用使用
ガーゼよりも傷を乾かしにくくするフィルムが貼ってあり、かつガーゼ交換のたびに治りかけていた組織をはぎ取らずに処置できる非固着性ガーゼを使用し、処置を行っています。
特に小児の熱傷では、処置時の痛みも少なくて済み、傷から出る体液はある程度吸ってくれるのでむれも少なく、とてもメリットが大きいです。

外傷:非固着性ガーゼ、各種被覆材の使用
特に顔面や指先などの傷に被覆材を使用し、処置時や日常生活における痛みを和らげることができます。また、高齢者の患者様が自分で処置できない場合などにも被覆材の利用価値は大きいです。

【湿潤療法ができない場合】
①感染している、またはそのリスクが高い
②傷からの体液が多い など

皮膚・皮下腫瘍(体表のできもの)

皮膚や皮下(皮膚の下)にできるできものには様々な種類があります。見た目や経過か らある程度診断が予想できるものもありますが、超音波検査・CT・MRI などの画像検査が 必要となる場合もあります。
形成外科では良性・悪性のいずれのできものも扱いますが、単にできものを取るだけでなく、傷あとをきれいにする工夫も行っています。例えば、手術の際には傷あとができる限り目立たなくなるような方向に切開を行い、細い糸を用いて縫合します。また抜糸後にはテーピングや遮光の指導も行っています。

【色素性母斑(しきそせいぼはん)】
母斑細胞が皮膚の表面近くに集まったもので、褐色や黒色に見えるあざです。いわゆる、「ほくろ」もこれに含まれます。顔面などの小さいものではレーザーで焼いて治療することもありますが、大きなものや悪性が疑われるものでは手術によって切り取ります。1 回の手術で取りきれない大きなものは、2 回以上にわけて切除したり、皮膚移植、皮弁法やまわりの皮膚を広げる組織拡張法などの工夫が必要です。

【粉瘤(ふんりゅう)】
皮膚の下のごく浅いところにできる、袋の中に垢や脂が溜まったできものです。感染を伴うと赤く腫れ、痛みを生じます。治療は手術によって袋を含めて切除しますが、感染を伴っているときには切開や抗生物質の内服により感染を落ち着かせてからでないと完全な切除はできません。ほとんどの場合は局所麻酔で手術可能ですが、小児では全身麻酔で手術を行うこともあります。

【脂肪腫(しぼうしゅ)】
脂肪細胞からできる良性のできものです。皮下にできるほか、筋肉の間や筋肉内にできることもあります。触診で診断ができる場合もありますが、ある程度大きさのあるものや、深いところにあることが予想される場合は、手術前にCT 等の画像検査を行います。治療は手術によって摘出します。局所麻酔で手術可能な場合もありますが、大きさや部位によっては全身麻酔での手術が必要です。

陰圧吸引療法
陰圧吸引療法とは創傷を密封し、吸引装置を使って創に陰圧をかけることにより、創縁を引き寄せ(収縮)、肉芽形成を促進し、過剰な滲出液や感染性老廃物の除去を図って、創傷治癒を促進するものです。
当初はtopical negative pressure(TNP)という用語がよく使われましたが、現在では世界的にnegative pressure woundtherapy 略してNPWT という用語が最も一般的に用いられています。 具体的には以下の効果が期待されます。

① 創収縮の促進効果
陰圧によって創縁どうしを引き寄せることで創収縮を促進して治癒までの期間を短くします。

② 過剰な滲出液の除去と浮腫の軽減
浮腫は創傷治癒を阻害する大きな要因です。滲出液が吸引・除去されるとサードスペースに貯留した細胞外液も排泄され、これにより浮腫が軽減します。

③細胞・組織に対する物理的刺激
細胞・組織は力学的応力に応答する性質があり、陰圧による外力や滲出液の流れが細胞を刺激して増殖能などに影響を及ぼすと考えられています。

④創傷血流の増加
物理的刺激と浮腫の軽減が血流増加をもたらします。

⑤老廃物の軽減
陰圧吸引による滲出液内の有害物質や感染性老廃物を排除します。
このように局所陰圧閉鎖療法は、従来の治療方法に比べて治療期間の短縮や患者様の負担軽減が期待されます。
当院では①急性・慢性創傷 ②手術後、植皮・皮弁後 ③褥瘡 ④皮膚潰瘍 ⑤難治性潰瘍などに対して、患者様の創部の状態に応じて現在日本で認可されている最適な器械を全て取り入れて、患者様の希望に応じて入院治療でも外来治療でも使用しています。
褥瘡(じょくそう)

褥瘡とは、寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。一般的に「床ずれ」ともいわれています。
自分で体位変換ができず長期間寝たきりで、栄養状態が悪い、皮膚が弱くなっている人が、圧迫だけでなく摩擦やずれなどの刺激が繰り返されている場合は褥瘡になりやすいです。
褥瘡になりやすいため注意しなければならない病気として、骨盤骨折、糖尿病、脳血管疾患、脊椎損傷があります(褥瘡予防・管理ガイドライン第3 版CQ4.1 より)。

①褥瘡発生の危険因子として特に注意すべき疾患
  • 骨盤骨折
  • 糖尿病
  • 脳血管疾患
  • 脊髄損傷
②褥瘡発生の危険因子として考慮すべき疾患
  • 悪性腫瘍
  • アルツハイマー病
  • うっ血性心不全
  • 骨粗鬆症
  • 深部静脈血栓症
  • パーキンソン病
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 末梢血管疾患
  • 尿路感染症

骨が突き出した部位は強く圧迫されて、褥瘡ができやすくなります。褥瘡になりやすい部位は以下の通りです。

当院は日本褥瘡学会認定の褥瘡受け入れ病院に指定されています。
褥瘡を主に扱うことのできる常勤医師がおり、
①褥瘡を主訴に入院する。
②感染を起こしている場合にその治療だけする。
③在宅で困難な程度のポケット切開が必要である場合に切開だけする。
④手術などによる褥瘡の閉鎖・再建をする。
などが可能です。

当院での治療は、まずは患者様本人や家族の要望を聞いたうえで、慣習的な診療や診療担当者の経験のみに頼るのではなく、日本褥瘡学会のガイドラインに準拠した科学的な根拠に基づく診療を実践しています。
形成外科医だけでなく看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・栄養士などと定期的に症例検討会や勉強会を開催し、褥瘡患者様の総合的な治療を行っています。
また、褥瘡専門の訪問診療医師、近隣の医療施設や介護施設とも連絡を取り合い、褥瘡の病診連携体制を整え、褥瘡患者様のQOLの向上に努めています。
日本中のほとんどの病院で使用されている褥瘡予防のリスクアセスメントスケールである大浦堀田スケール(通称OHスケール)の開発者、統合医療 希望クリニック 院長の堀田由浩先生とも緊密に連携を取り合い、在宅から病院まで総合的な治療を行っています。

詳しい治療症例

眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)
眼瞼下垂とは?
私たちがまぶたを開けるときには、眼瞼挙筋という眼の奥の方にある筋が働きます。この筋と瞼板(上まぶたにある硬いもの)を腱膜という薄い組織がつないでいます。この腱膜と瞼板の結合は弱く、様々な原因ではずれてしまうことがあります。この結合がはずれてしまうと眼瞼下垂が生じるのです。

眼瞼下垂だと?
眼瞼下垂だと眼瞼挙筋が作用しないため、まぶたを開けるために眉毛を持ち上げてものを見ようとします。眉毛を持ち上げる筋肉は、前頭後頭筋といいます。ものを見るためにいちいち前頭後頭筋を使用するため頭痛が生じます。眉毛を持ち上げる代わりにあごを突き出して上目使いになる人も、あごをあげる僧帽筋を酷使して肩こりが生じます。

当科眼瞼下垂手術の特徴
眼瞼下垂が頭痛・肩こり・不眠などの不定愁訴の間接的な、また場合によっては直接的な原因の1つであり、眼瞼下垂手術をすることによりこれらが改善するといわれています。
当科での眼瞼下垂手術は、可能な限りこれらの不定愁訴を改善させることを目的に行っています。
当科で行った眼瞼下垂手術により、①頭痛②肩こり③額の皺④瞼が重い⑤便秘⑥不眠の6項目につき、手術前、手術後1週間後、手術後3ヵ月後の結果をお示しします。

各症状有りの手術前の症例数と割合及び手術後1週間後、手術後3か月後の各症状有りの症例数とその改善率※

手術前 手術後1週間目 手術後3か月目 改善率※
症例数 割合 症例数 改善率※ 改善率※
頭痛 147例 63% 2例 99% 2例 99%
肩こり 206例 88% 66例 68% 52例 75%
額の皺 152例 65% 19例 88% 18例 88%
瞼が重い 222例 95% 3例 99% 3例 99%
便秘 44例 18% 30例 32% 28例 36%
不眠 129例 55% 49例 62% 41例 68%

※改善率(手術前の有りの症例数-手術後の有りの症例数)÷ 手術前の有りの症例数
この表からも分かると思いますが、頭痛は99%と高い改善率を得ていますが、それ以外にも瞼が重い、額の皺、肩こり等も軒並み高い改善率をえています。また、高い改善率を得るために手術方法にも工夫を凝らし、例えば頭痛の原因の1つと言われている頭の筋肉の緊張を和らげるために、ほぼ全例で外視靱帯を切開しています。

左上眼瞼の外視靱帯を縦に切開している様子
これらの詳細は2019年の日本美容外科学会学会誌に掲載されましたのでご興味のある方は参考にして下さい。

著者:浅井真太郎
タイトル:腱膜性眼瞼下垂手術による不定愁訴改善効果
日本美容外科学会誌 55(2): 47-49, 2019.

治療費
手術および手術前の検査、手術後の抜糸や診察などは全て健康保険が適応できます。
健康保険の種類やその後の通院回数により金額は異なりますが、両側同時に通院で手術を行った場合、手術代・麻酔代・薬代等の合計で健康保険の3割負担で43,680円程度、1割負担で14,560円程度になります。

治療経過
手術の約2週間前に簡単な血液検査を外来で行い、体に異常がないことを確認します。
手術は外来通院または入院で行っています。
入院していただくのは手術後の安静、冷却、その他手術後の出血などのトラブルにすぐに対処できるようにするためです。
入院の場合は、1日目の午前10時に入院していただき、手術は午後1時から順次始めます。
手術時間は1時間程度です。
手術後は病室で安静にしていただき、アイスノンで冷却します。
トイレ歩行や売店に行くことなどは可能です。
2日目の朝10時に診察し、退院となります。

手術後1週間後に外来にて抜糸します。
問題なければこれで治療は終了です。

当院では腱膜性眼瞼下垂の症例が多数あり、遠方からもお越しいただく患者様も多く、主に挙筋前転法にて手術を行っています。
手術を行う際の診断基準は、明らかな眼瞼挙筋の機能障害が認められ、かつ日常生活に支障をきたすような症状を有する患者様のみを行っています。
全例保険診療にて行っており、美容目的の患者様や自費診療は行っておりません。
また、美容外科や形成外科で行った眼瞼下垂手術の失敗や修正手術等も、健康保険の範囲内にて治療を行っています。
施術内容や方法の詳細は外来を受診してご確認ください。ご希望に合わせた治療方法をご提案いたします。

腋臭症(ワキガ)

当科では腋臭症の治療も頻繁に行っています。2019年1月~12月の1年間で延べ12例(23箇所)の手術を施行しました。
わきの汗の分泌腺は2種類あり、1つはさらさらとしたエクリン腺(小汗腺)からの分泌された汗です。このエクリン腺は全身に分布し、水分を汗をとして分泌することで体温調節を行っています。
もう1つはアポクリン腺(大汗腺)からの分泌です。これがいわゆるにおいの原因になる汗であり、皮脂を含みこれを皮膚表面の細菌が分解することで臭いが発生すると言われています。
診断は当院では家族歴や他人に臭いを指摘されたことがあるかなどの問診のほか、ガーゼ法で判断するガーゼ法を施行しています。
手術方法は色々な術式がありますが、健康保険が適応できる術式は基本的に皮弁法(剪除法)のみしかなく、当院でもこの皮弁法を用いて施行しています。
一度の治療で臭いがほとんど気にならなくなり、後戻り等も少ない術式です。
日帰り手術も可能ですが、手術後の安静や良好な結果を得るために吸引ドレーンを挿入していることもあり、当院では入院し安心・安全な治療法をお勧めしています。
詳細は本HPパンフレット「腋臭症「わきが」について」 も参考にして下さい。

治療代金
両側を同時に約1週間入院して行った場合、健康保険の3割負担で99,000円程度、1割負担で33,400円程度になりますが、高額療養費の制度を使用すると3割負担で80,770円程度になります。
但し食事代、テレビ代等は含みません。

代表的な手術症例

手術前の状態

腋毛の生えている部分を目安に、アポクリン腺を切除する部位をマーキングした状態

腋の皮膚を裏返し、実際に専用のはさみでアポクリン腺を切除している状態

アポクリン腺を切除した状態

腋に血が溜まったり、傷の治りをよくするために吸引の管(ドレーン)を挿入した状態

手術後5日目
吸引ドレーンを抜去する直前の状態

手術後7日目 抜糸直前の状態

手術後14日目 治療終了時

手術後14日目 治療終了時

皮膚がん(皮膚悪性腫瘍)

当科でよく行われている手術のひとつに皮膚がん(皮膚悪性腫瘍)があります。
2019年1月~12月の1年間だけでも、のべ18例の手術を施行しました。
皮膚腫瘍の中には、それが良いものである(良性)と悪いもの(悪性)があります。
当科では、皮膚腫瘍の手術後は摘出した細胞は全例、組織病理学的検査を施行しており、良性か悪性かの診断をしています。
病理組織学的検査で詳細な診断がされた後、追加で切除が必要と判断されることもあります(取り切れていない、悪性度が強い組織であったなど)。また転移のある場合には転移した場所の腫瘍切除も考慮します。
万一悪性であった場合、命に関わる可能性もあるため、追加検査・手術・治療等を行っています。
当科では皮膚がんと診断された症例は全例、日本皮膚悪性腫瘍学会が作成した皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインに準拠した方法にて治療を行っています。
また、磁気共鳴画像診断装置(MRI)や、当院に併設されている名古屋放射線診断クリニックにて陽電子放出断層撮影(PET-CT)を適宜施行し、転移や再発の診断に役立てています。
代表的な皮膚がんは主に基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫があります。
以下に当科で治療した代表症例を掲載します。
よく見ると一見普通のホクロやイボのように見えるかもしれませんが、放置しておくと命に関わる可能性もあります。
お心当たりがある方は一度受診されることをお勧めします。

悪性黒色腫
メラノーマとも言われ、皮膚がんの中では最も悪性度の高いがんです。5年生存率(5年以上生存できる可能性)は70%以下と言われており、手術後も定期的な治療や検査が必要です。

基底細胞癌
皮膚がんの中では悪性度は低いですが、放置しておくとリンパ節や他の臓器に転移する可能性もあります。

鼻尖部

右鼻翼

左中手背尺側

頚部

後頭部

左外眼角

左背部

右手背

左耳垂

乳房シリコンバッグ取り出し

美容目的や乳癌切除後の乳房再建目的による乳房シリコンバッグ挿入術は近年増加傾向にあります。
しかし、乳房シリコンバッグによる豊胸手術には以前から様々な合併症も報告されており、問題点も多いです。
当科では美容目的による豊胸手術や乳癌による乳房切断術後の乳房シリコンバッグ手術後の、①カプセル拘縮による乳房の変形、②左右差や痛み、③乳房シリコンバッグ破損等のトラブル修正も行っています。

治療方法
外来にてCT写真を撮影し、挿入されているシリコンバッグの大きさ・深さ・形等を確認します。
手術は3泊4日程度入院し、全身麻酔にて行ないます。
皮膚切開部位は患者の希望や手術のやり易さ等を考慮して決定し、乳房下溝切開又は腋窩切開で約2~3cm程度切開します。
摘出部位には吸引ドレーンを挿入し、手術後2日後~5日後に抜去します。
手術後1週間で皮膚切開部位の抜糸をし、問題なければ治療は終了となります。
代表症例をお示ししますので、参考にして下さい。

カプセル拘縮

シリコンバックの破損

乳癌再建後のシリコンバックの破損

治療内容の詳細は第101回日本美容外科学会総会にて発表し、その後日本美容外科学会学会誌に掲載されました。ご興味のある方は参考にして下さい。

著者:浅井真太郎 
タイトル:長期間挿入された乳房プロテーゼの問題点
日本美容外科学会誌 55(1):3-8, 2019.

治療費
患者様の状態にもよりますが、手術および手術前のCT撮影等の検査、手術後の抜糸や診察などは基本的に健康保険が適応できます。
3泊4日入院し、全身麻酔で手術を行った場合、入院代、手術代、麻酔代、薬代等の合計だけで健康保険の3割負担で84,230円程度、1割負担で28,080円程度になりますが、高額療養費の制度を使用すると3割負担で80,770円程度になります。但し食事代、テレビ代等は含みません。