診療科・部門

心臓血管外科

概要

当院の心臓血管外科は、高齢者や透析症例に代表される重症例への積極的な取り組みを治療方針の柱としています。対象疾患は成人心臓血管疾患の広い領域に渡っており、高齢者、透析症例、重症例を決して断らない「No Refusal Policy」をモットーに取り組んでいます。
高齢者では、年齢だけにこだわらず社会的活動性や本人・家族の意欲を最大限に尊重したうえで、ご希望に沿った治療方針を決定しています。最近は低侵襲手術を積極的に導入しています。当院の循環器内科などの診療科や他医療機関とも連携し、地域医療にひとつでも多く貢献できるよう取り組んでまいります。

特徴

当院では術後の⼼臓リハビリテーションにも⼒を⼊れております。
⼊院中から退院後まで専⾨のリハビリスタッフが総合的に介⼊することで、低下した体⼒を改善し不安を軽減することで、社会や職場復帰できるよう取り組んでおります。⼼臓リハビリテーションにより⼼筋梗塞や狭⼼症の主な原因である動脈硬化の進⾏を予防し、再発や再⼊院のリスク軽減にも効果があります。

主な対象疾患

虚血性心疾患

冠動脈狭窄に伴う心筋梗塞・狭心症に対する冠動脈バイパス術においては、10年後、20年後まで発作のない生活のために可能な限り良質なバイパスによる完全血行再建を目指しております。患者様の全身状態に応じて心拍動下、人工心肺下の手術を適宜選択しています。

弁膜症

近年急増している高齢者の大動脈弁狭窄症では、80歳以上の超高齢者でも積極的に手術を行っています。
また僧帽弁閉鎖不全症に対しては自己弁を温存する弁形成術を原則とし、心房細動に対するメイズ手術を加えることで術後のQOLに配慮した手術を目指しています。
一方で、胸骨を切開しない小切開での心臓手術(低侵襲心臓手術)も患者様の病状に応じて積極的に取り入れています。

大血管

胸部大動脈瘤に対する人工血管置換術は、我々が最も力を注いでいる領域のひとつです。
最近ではより低侵襲である血管内カテーテル治療やステントグラフト内挿術を積極的に取り入れることで、従来では手術が困難とされていた患者様に対しても治療可能となっています。